ご挨拶
会長挨拶
第3回日本フットケア足病・医学会 関東・甲信越地方会の会長として、皆様方に心からのお礼とともに、心よりの歓迎を申し上げます。
今回私たちのテーマとした"Sustainable Walkable Goals(SWGs:持続可能な歩行目標)"に焦点を当て、足病医学の発展とその社会的な重要性について考えを共有したいと思います。
生涯にわたる歩行能力の維持は、私たちの健康と今後の福祉にとって不可欠な要素です。足は私たちの身体の基盤であり、健康な足を保つことは、日常生活において自立した生活を送るための重要な要素です。しかし、歩行を維持するために必要不可欠な2本の足の健康を担保することを、私たちはこれまで怠ってきたのではないかと感じます。足をとりまく環境は過酷であるにもかかわらず、目が行き届きにくいために、多くのトラブルは悪化してから気が付かれます。また足のトラブルは膝や股関節、骨盤のトラブルにも影響を及ぼしていますが、治療は後手にまわっている状態で、予防が不十分です。さらにコロナ禍でひとの歩行は減り、子どもの運動能力は以前と比較できないほどに落ちていると言われています。
課題が多岐に及ぶため、本学会は他職種・多業種連携でこの課題解決に向かっています。私自身は皮膚科医の立場からですが、副会長の形成外科医・寺部雄太先生、看護師・松岡美木先生とともに今回のテーマとして下記8つを決めました。プログラムへの参画や運営に日本靴医学会、日本転倒予防学会、足と靴の健康協議会、そして全日本病院出版会に事務局をお引き受けいただくなど、異次元のご協力いただきました。
- 足育で大切な足を守り育てる
- 靴と靴下、正しく履いて足病を予防する
- 足を視て、きれいに洗って保とう美足
- 足に優しい住環境の提案
- 適切な運動習慣で歩く力を維持する
- 足病の予防と治療を可能にする関係をつくりあげる
- Wound Hygieneでより良い創傷管理
- 医療と企業の協同で足の治療環境を整える
8つの教育講演、4つのシンポジウム、2つのディスカッションセッション、5つのハンズオンセミナー、ランチョンセミナーを含む9つの共催プログラムを準備しました。具体的な戦略や取り組みについて議論し、知識や経験を共有する機会としたいと考えています。そのほかに日頃の問題や成果を取り上げた一般演題にも多数の応募をいただきました。特別講演には元メジャーリーガーで、爪の大切さに気付き、講座やご自身のブランドを開設しているマック鈴木氏をお招きしました。展示ブースにもフットケア業界を支える25社、その他広告や寄付など、多数のご賛同をいただき、充実したプログラムを組むことができました。皆様方のご協力と知恵を借りながら、より良い足の未来を築いていくために、この機会を存分に活用していただければ幸いです。
オンデマンドも準備しておりますが、大宮で皆さまと直接お会いできることを楽しみにしています!
第3回日本フットケア・足病医学会関東・甲信越地方会
会長 高山 かおる
(埼玉県済生会川口総合病院皮膚科)